「僕逃げてました」

と言われました。

 

職人さんたちのオリンピックに出場する若い選手です。

練習で、金メダルに必要な点数にあと一歩届かない時期が続いていて、その差を埋めるために何をしていくかを考えていた時です。

 

今までは、これ以上できることはない、後は運!と言い張っていましたが、実は本当はまだできることはあったのです。

でも、それは自分にとってとてもストレスが大きいこと。やりたくないから見ないことにしていたのです。

何となくそうではないかと感じていました。

メンタルが弱っていて回復が必要な人には、ストレスを取り除くことが必要ですが、目標に向かって進むなら、ストレスを取り除いていては強くはなれません。ストレスに耐えられる力をつけていくことが必要なのです。

なので、その選手が成長するためには、ストレスをなくすことにエネルギーを注ぐのではなく、ストレスを受け入れられる自分になることにエネルギーを注ぐ必要がありました。

 

いつもは、自分で向き合おうと思うまであまり触れないでおこうと思っていたのですが、本番まで日がなくなってきた昨日のセッションでは、いつもより少しシビアに接するようにし、本当にこれ以上できることがないのかを考えれるような質問や会話を繰り返すと…

『僕逃げてました』

と言い始めたのです。怠けていたとも。

 

今までのその選手の強気な言動や様子からは、想像もしない一言でした。

 

できていない自分、怠けている自分と向き合うのってとてもキツイ時間だと思います。できるなら「ちゃんとやれている」と思いたいもの。

それをあえて、自分のマイナス面に目を向けることは、自分自身取っ組み合うような時間だと思います。

自分自身と取っ組み合うことを決めた彼に成長を感じると共に、何かを突破しようとする姿に尊敬の念を抱きました。

素晴らしい選手としてリスペクトしつつ、最後までしっかりとサポートさせていただきます。